こ、これは…………新解釈地獄的天地創造っ!!!なるか!なーーる!!
これはこれは、ちょっと脳髄をしゃもじで掻き回されちゃったかな、といった感じです!!
毒ガス部隊みたいな出で立ちの主人公。天からポッドで降りてきまして、ズイズイと地下世界に下降していきます。恐竜の化石や賽の河原っぽい文明の残滓や大っきなエイリアンの頭蓋骨があったりと幻想的だなぁ…。
と、すこやかなる気持ちはここまで。
ここからです。始まりますよ。
地獄絵図が。
眺める拷問。異様な生物(乳房丸出しの肉塊)に拉致され頭にナタを振り降ろされる芋虫人間。
巨人が椅子に拘束され、列になって並び、頭には電気ショック装置。装置が起動するたびに垂れ流される糞尿。それを漏斗に流し込み口を開けて飲み込む大顔。その光景を横目にさらに下へと進みます。型板からどんどん量産される土と動物の毛でできたような顔のない人型。それらが、自立歩行しながら、列になり順番待ちをし穴に落ちて燃える。大きな石板をドミノのように立て、一息ついたところで反対側から倒され潰れる。
なんともまぁ…命が…命の扱いが…なんとも簡単過ぎやしないスカ!!
これで序盤です!!触りですよ!
ここからも狂いに狂った映像となんとも耳障りの良い音楽が流れながら物語は進んでいきます!
何が何を何とたらしめようとしているのか…!!
全く分かりませんっ!!最後まで!!
ですが、不思議なことに最後まで見てしまいます。監督のフィル・ティペット氏は「ロボコップ」や「ジュラシックパーク」の特殊撮影をされていた方です。初の長編映画!制作に30年!見ていてわかりますね。渾身の傑作です!
右手でロボコップに離乳食食べさせながら、左手に蚊の化石を弄びながら考えたのかなと思うと感慨深いですね(勝手な想像)。
しかしあれですね。今作は死後の世界を表現したものではないのでしょうが、どうしても連想してしまいます。
………地獄をねっ!
序盤、人型の生き物らしきものがジャンジャンと殺されて行く描写が続きます。惜しげもなく、際限もなく、没個性のまま、そこにいるのが悪いかのように殺されていきます。いや、殺されてもいないのかもしれません、殺す意志もなく命を奪われていくだけの感じでしょうか。そして奪っていく側の正体もついぞ分からず仕舞いです。あぁこんなんだろうな地獄てのは、ただ存在しているだけで苦しい目にあっていく。意味もわからないまんま。
これは嫌です。自己投影をしたくない映画NO1確定です!
ラストは天地創造のような観念的な映像が流れます。それがまた命のサイクルを見せられているようで、自分もここに織り込まれているのだろうと虚無の納得感に辿り着きます。
なんだろうこの気持ち。
今日も一日、自分の日常を正しく頑張ろうって気持ちです!
悪い事考えて、実行しちゃう前に戒めの一本として!オススメです!!
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